新シリーズ「秋を撮る」~奥山の紅葉
新シリーズ「秋を撮る」~奥山の紅葉
紅葉を見ていると、ふと、「奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ秋は悲しき」という歌が浮かんできます。
現代語意訳は、「人の住む村里から遠く離れた、人の来ない山奥に、絢爛たる紅葉がびっしり敷きつめられたように散っている。赤や黄色の絨毯のような情景の中から、紅葉を踏みながら鹿が現れる。角の長い雄の鹿が、天を仰いで一声寂しく高く鳴く。おそらくどこへ行ったのか分からない連れ合いの雌の鹿を求めて鳴いているのであろう。その声を聞いていると、秋はなんて悲しい季節なのだろうと思えてくるのだよ。」という感じです。
深まりゆく紅葉は、華やかでありながらも、どこかもの悲しげでもあります。人の心を打つ紅葉には、きっと様々な思いも投影されるのでしょう。